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蜜蜂と遠雷
2017-06-18
 久しぶりにゆっくり時間が取れたので、半年くらい放置していた本を読みました。
 
恩田陸氏の蜜蜂と遠雷です。直木賞と本屋大賞をダブル受賞し、非常に話題になりましたよね。
恩田陸氏は私が中学生の時に初めて「六番目の小夜子」というデビュー本を読んだのを覚えています。
以来好きな作家さんではありましたが、安定感があまりないというのが私の個人的な印象でした。
言葉が溢れてくるようなタイプの作家さんなので、書きたいことが多すぎるのかとっちらかってしまう、というか。
しかし、この蜜蜂と遠雷は私が読んだ恩田氏の作品の中では間違いなくNO1です。
 
音楽を小説にする。
本当に頭の中に音が流れてくるような、ものすごい筆力です。
上下2段組み500ページというなかなかボリュームのある本ですが、全くそれを感じさせません。
すごく悪い人や敵対するものも出てこない上に、ほぼほぼ単調なコンクールという同じような場面構成にも関わらずこれだけ飽きずに読ませる作者の技術力の高さと才能に改めて驚きました。
また、読了後の爽やかな満足感は素晴らしいです。
もしまだ読まれていない方がいたら、自信を持ってお勧めしたいと思える本です。
 
文中にも「ギフト」という言葉がたくさん出てくるのですが、私にとって読書はまさしくギフトです。
自分の中でいい本に巡り合ったとき、周りの空気がすっと一段薄くなるような感じがするのです。
自分と本だけのちっぽけな空間。そこだけまるで切り取られた空間のように感じる瞬間。
そんな時間を味わうために、物語を読んでいるのかもしれません。
あ!ビジネス本とかはまた違う意味で好きです。
 
多分本好きあるある、だと思うけど本屋さんに行くだけで幸せになれます(笑)
 あと、家に未読の本がないと不安になる、とか。カバンに本が入ってないとつい本屋で本を買ってしまう、とか。
 
いくつになっても本を楽しめる心の余裕を持てる自分でいたいな、と思っています。
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